親の影から出る-支配関係を断ち切り、本当の自分を生きる方法(上)

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⬜︎目次⬜︎

  1. 1章 支配的な親との関係を理解する
  2. 2章 インナーチャイルドとの出会い
  3. 3章 あなたのインナーチャイルドはどこに隠れているか
  4. 4章 インナーチャイルドとの安全な対話空間の作り方
  5. 5章 傷ついた子どもの声を聴く技術
  6. 6章 最初の対話で直面する課題と乗り越え方

1章 支配的な親との関係を理解する

支配的な親との関係は、子どもの心の発達に深い影響を与えます。支配的な親は、子どもの生活のあらゆることをコントロールしたいという欲求をもちます。服装の選択、友人関係、進路に至るまで、子どもの意思決定権を奪い、自分の判断を押し付けます。「すべてあなたのため」という言葉を使っていても、実際は親自身の不安や怖れからくる選択である場合が多いです。感情の否定も支配的な親の特徴です。泣くことや怒ることを禁じ、子どもの自由な感情表現を抑圧させます。

支配的な親は、完璧主義や高すぎる期待を子どもに課します。努力よりも結果を評価し、テストで十分な点をとっても「あなたは不十分だ」という事もあります。他家の子どもと比べたり、恥辱を与えて、子どもの自己価値感を傷つけます。「こんなにやってあげている」と言いながら、相手に罪悪感を与えて操作する事もあります。このような関係性のコントロールが起きることがあります。

支配的な親のもとで育った人々は、いくつかの課題を抱えます。自己価値感の低さ、自己評価の低さ、自分の感情やニーズを表現しない傾向、境界線が曖昧になりやすい、自己犠牲的な関係になりやすいなど。自分はダメな人間で、愛される価値がないという発想を持ちやすくなります。

子ども時代に親の感情に責任を感じていた人は、大人になっても他者の感情や問題に過剰な責任を負い、共依存的な関係に陥りやすいです。自分がなんとかしなければという強い使命感を持つこともあります。親の判断が常に優先される環境だと、自分の直感や判断を信頼できなくなり、決断に不安を感じることもあります。感情表現を否定される環境だと、感情を認識したり、適切に表現する能力が育ちにくく、感情の爆発や遮断などの極端な反応が見られます。

これらの体験を理解することで「これは当然の反応であり、おかしいわけではない」と認識しましょう。これらの反応や困難は、支配的な環境への適応だったのです。

2章 インナーチャイルドとの出会い

インナーチャイルドとは、私たちの内面に存在する「内なる子ども」のことです。子ども時代の経験や感情を保持している心の一部です。支配的な親のもとで育った場合、このインナーチャイルドはさまざまな傷を抱えていることが多く、怖れ、悲しみ、怒り、混乱、見捨てられ感などが大人になった今も生き続けています。

強い感情反応を感じる場合、このインナーチャイルドからである可能性は高いです。過去の傷が現在の状況に投影されて、「過剰反応」が起きているのです。インナーチャイルドは自然な創造性や遊び心、好奇心を持っていることも多く、この特性を取り戻して正常化することが大切です。

私たちの中には、さまざまなインナーチャイルドが存在します。支配的な親もとでは、「傷ついた子ども(痛みや怖れ、悲しみがある)」と「適応した子ども(いい子、頑張る子)」が特に発達しやすいと言われます。

インナーチャイルドとの対話が必要なのは、現在の問題(不安、関係性の問題、自己価値感の低さ)がインナーチャイルドの未解決の傷から生じているためです。また、支配的な親との関係で学んだパターンは、無意識のうちに現在の関係性に持ち込まれます。他者との間での支配的な関係、自分の境界線が守れない、自分をいつも後回しにしてしまうなど、これらの現象はインナーチャイルドとの対話から解決する場合があります。

支配的な環境で育つと、感情調整のスキルを学んでいないことが多いです。インナーチャイルドとの対話を通じて、感情を感じること、受け入れること、表現することを許容していく必要があります。また、支配的な親の声が内在化されると、心の声が自己批判的な厳しさを持ちます。この厳しい批評家を思いやりのある声に置き換えていく必要があります。

支配的な環境では、本来の自己を隠し、親の期待に適応することを学びます。インナーチャイルドとの対話によって、本来の自分(感情、欲求、才能、情熱)を取り戻し、真の癒しと成長を始めていきましょう。

3章 あなたのインナーチャイルドはどこに隠れているか

支配的な親のもとで育った場合、インナーチャイルドは特に「隠れる」ことに長けています。それは自己保護のために存在を隠すことを学んできたからなのです。インナーチャイルドが反応しているとき、特定の状況や言葉、態度に強い感情反応が生じています。例えば、権威的な態度をとる人に対して、強い怖れや怒りを感じます。客観的に見ると大した内容ではないのに、反応が強すぎて、自己制御できないという状況も起こります。

人生で繰り返し同じようなパターンに陥る場合、インナーチャイルドの未解決の課題が隠れています。支配的なパートナーや友人を選び、他者のニーズを自分より優先し、相手との関係が親密にならないということが繰り返されているなら、インナーチャイルドがかつて効果的だった対処法を繰り返しています。

あなたの心の声が特に批判的で厳しいとき、それは幼少期に聞き続けた親の声かもしれません。「もっと頑張れ」「弱さを見せてはいけない」「甘えるな」など、インナーチャイルドが内在化した支配的なメッセージに気づきましょう。

インナーチャイルドのメッセージは、身体反応として出てくる場合もあります。胸の締め付け、喉の詰まり、緊張、疲労感など、こうした反応はインナーチャイルドが不安、怖れ、悲しみ、怒りなどを感じているサインかもしれません。

ある状況で、理由はわからないけれど、強い感情に飲み込まれることもあります。悲しみに襲われる、理由のない不安や怖れ、状況に不釣り合いな怒りの爆発、見捨てられ感や孤独感、恥の感覚など。これらの現象は過去の記憶が活性化し、現在の出来事から子ども時代の似た状況を無意識に想起しているのです。

インナーチャイルドは夢や想像の中に出てくる事もあります。繰り返し見る特定のテーマの夢や、創作活動中に繰り返し現れる特定のイメージ、特定のキャラクターへの強い感情など、インナーチャイルドが直接的な方法では表現できない感情や欲求を伝えようとしている可能性があります。

インナーチャイルドの声やサインに気づけるようになると、対話が可能になっていきます。まずはインナーチャイルドの存在を感じて、その声やサインに気づくように練習してみましょう。

4章 インナーチャイルドとの安全な対話空間の作り方

インナーチャイルドとの対話を始めるためには、安全な環境を整えることが大切です。物理的、心理的に安全で落ち着ける環境を用意しましょう。携帯電話はオフにして、外部から妨害されないことも大切です。

そして、これからの時間は評価や批判は一切せず、何が出てきても受け入れる姿勢を持ちます。インナーチャイルドが何を言ったとしても受け入れる姿勢で聞きましょう。短い時間から始めて、少しずつ延ばしていくと進めやすいです。

健全な対話のためには、思いやりのある姿勢で対応することが大事です。「どんな感情も大切で、表現して良いもの」という方針を持ち、「大変だったね」「我慢していたんだね」などの言葉をかけ、優しく穏やかな態度で接します。

対話の前に、心を落ち着けて、深呼吸を意識しましょう。安全な場所をイメージし、その場所に子ども時代の自分が現れるのを待ちます。無理に呼び出そうとせず、自然に現れるのを待つのが良いでしょう。また、イメージが出てこなくても、声や感情などが出てくる場合もあります。

インナーチャイルドとの対話空間作りは、忍耐強く継続的に育てていくことが大切です。いきなりうまくいかなくても、過程の一部として受け入れ、少しずつ進んでいきましょう。

5章 傷ついた子どもの声を聴く技術

インナーチャイルドとの安全な空間を作れるようになったら、実際にインナーチャイルドの声を聴けるようになっていきましょう。支配的な親もとで育った場合、自分の感情や欲求を抑圧しているため、この過程は重要です。

多くの人は、自分の感情や思考を判断する習慣を持っています。また、内在化された親からの批判の声が強いと、自分の感情や思考を回避したり、止めることが習慣化していることもあります。

インナーチャイルドが表現する感情や記憶に対して、好奇心と受容の態度を示すことは大切です。感情が強く現れても、それを押さえ込もうとせず、波に乗るように感じていきます。

言葉にならない感情や記憶は絵を描くことで表現できます。インナーチャイルドに語りかけ、色や形で気持ちを表現します。できるだけ、思考を介さずに直感的に描きます。美しい絵を描く必要はないのですが、得意ではない場合は、雑誌や古い写真から画像を切り抜き、コラージュとして表現する事もできます。

瞑想状態でイメージの中で直接対話する方法も効果的です。安全な場所をイメージし、インナーチャイルドと出会い、対話します。直接対面が難しい場合は、動物などの存在を介して間接的に会話することも一つの方法です。

トラウマや感情は身体反応として記憶されているため、音楽に合わせてインナーチャイルドの感情や状態を表現したり、緊張や不快感があるか観察しながら、身体の部位に手を触れて声をかけたりします。

インナーチャイルドとの対話には、「正当なやり方」があるのではなく、1人ひとり最適な方法が異なります。無理せず、自分なりにやりやすい方法を見つけて、対話を深めてみましょう。

6章 最初の対話で直面する課題と乗り越え方

インナーチャイルドとの対話を始めると、困難や抵抗に直面することもあります。これらの障壁は、親子関係から生じたトラウマや防衛機制と関連しています。自分が傷ついた部分と向き合うとき、さまざまな抵抗が現れることは自然なことです。

インナーチャイルドとの対処の対話で、「何も感じない」と感情が凍結したり、「これは意味がない」という思考が行動を中止しようとすることがあります。また、不快な感情から逃れるため、強い眠気や気を散らす衝動が生じることもあります。感情を感じる代わりに、知性化することで感情との接触を避けようとする反応もあります。

このような抵抗が生じたら、「これは抵抗であり、抵抗があるのは自然なこと」と受け入れてみましょう。対話の時間を短めに設定して、少しずつ延ばすようにしましょう。

インナーチャイルドとの対話で強い怖れや痛みが現れたり、さまざまな感情が現れるときがあります。飲み込まれそうになったら、呼吸に意識を向け、ゆっくりと深呼吸します。吐く息を長めにしていると、少しずつ落ち着きを取り戻せます。水を飲むことも、意識を取り戻すきっかけになります。

対話の過程では、できるだけ自分に優しくしましょう。試行錯誤を繰り返し、理解を深めていくことが大切です。インナーチャイルドの準備が整っていないと、対話できないこともあることも受け入れましょう。短い時間でも繰り返し接して、対話を焦らずに続けることが大切です。

インナーチャイルドとの対話は、癒しにおいて重要な部分です。話をよく聞き、尊重し、少しずつ対話していくことで、傷ついた心が癒やされていきます。多くのインナーチャイルドは癒されたいし、話を聞いてもらいたいと思っているのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。続きます。

山田 結子

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