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⬜︎目次⬜︎
- 7章 インナーチャイルドが本当に必要としていること
- 8章 支配によって植えつけられた誤った信念との対話
- 9章 感情の解放と安全な表現
- 10章 現実の親との関係を再考する
- 11章 インナーチャイルドの知恵を日常に活かす
- 12章 継続的な対話と自己成長のためのプラクティス
7章 インナーチャイルドが本当に必要としていること
インナーチャイルドとの対話を深めていくと、表面的な感情の奥に、本当の欲求が隠されていることに気づけるようになります。支配的な親もとで育った子どもは、基本的な欲求が満たされないまま大人になっていることがあります。
多くの子どもが持っている普遍的な欲求として、「安全と保護:身体的にも情緒的にも安全」「愛と受容:存在そのものに価値がある」「自律と自己決定:年齢に応じた選択する権利」「理解される:感情や考えを理解される」「自由:自由に創造性を発揮する」などがあります。支配的な環境では、これらの基本的欲求が満たされないことが多く、さまざまな心理的課題が生じます。
インナーチャイルドが必要としていることを知るには、子ども時代を振り返ってみましょう。どんな状況で安全や不安を感じたか、どんな状況で愛され・拒絶されていると感じたか、どの感情が許され・禁じられていたか、あなたの意見や選択はどのように扱われたか、どのような資質が評価され・批判されたかなど、インナーチャイルドがどのような欠乏感を持っているか予想してみましょう。

支配的な環境で育った人は、自分の欲求を認識することも難しい場合があります。自分の欲求そのものを認めることができず、何が必要なのか本当にわからず、代替的な満足(過食や物質的消費など)に頼っていて、自分の欲求は満たされる価値がないという信念があるかもしれません。
インナーチャイルドに対して思いやりをもって接することで、癒しが始まります。「あなたは十分によくやっている」「あなたの感情は大切なもの」「あなたの価値は成果や成功とは関係ない」という肯定的な言葉を与えてみましょう。最初は違和感があっても、継続することで、肯定的な言葉が内在化され、思いやる姿勢が身についてきます。
日常の中でも、適切な睡眠や栄養、運動など基本的な身体的な欲求を満たしましょう。それによって、インナーチャイルドに「大切にされている」というメッセージを与えることになります。他者からの不適切な要求や扱いに「NO」と伝える力を育て、境界線を設定し、インナーチャイルドがやりたかったことを取り入れていきましょう。
インナーチャイルドの本当のニーズを理解し、満たしていく過程は時間がかかるかもしれません。しかし、この過程を丁寧に扱うことで、自分の満たされなかった欲求を満たし、「自分のやりたいことを自由にしていい」ということを潜在的に理解する必要があるのです。
8章 支配によって植えつけられた誤った信念との対話
支配的な親もとで育つと、子どもは偏った信念や制限的な考え方を内在化します。これらの信念は、無意識のうちに私たちの行動、感情、人間関係を支配していきます。インナーチャイルドと向き合うことで、これらの根深い信念を特定し、書き換えることも重要なプロセスです。
支配的な親から植え付けられる典型的な信念として、「私は十分でない」「完璧でないと認められない、愛されない」「感情は重要ではない」「感情は迷惑、不適切、弱さ」「他者を頼ってはいけない」「選択権がない」などがあります。
個人特有の信念を見つけるには、「~すべき」「~しなければならない」「~できない」というパターンを見つけたり、強い感情が出てくる状況を観察することが有効です。

これらの信念を変容させるには、まず信念を意識して言語化します。そして、その信念が子ども時代にどういう経緯で形成されたのかを確認します。そして、この信念は現在の状況に適切か、自分にとって役にたつ考えなのかを検証してみましょう。
「私は十分でない」を「私はいつも未完成だが、その分成長し続けている」、「私の感情は重要ではない」を「私の感情を尊重してもいい」など、肯定的な言葉で表現してみましょう。繰り返し新しい言葉を使い、古い信念をゆるめていきましょう。
親が支配的であると、否定的な自己物語が内在化されている可能性が高いです。「私はいつも~する人間だ」「私の人生は~だから」という物語を特定し、繰り返し現れているテーマを見つけます。
「犠牲者:犠牲者であることをやめ、主体的に関われる人間を目指す」「救済者:私がこれをしなければということを手放し、自分にとって重要なことをする」「完璧主義:完璧であることより、ありのままの自分を好きになる」など、テーマに沿って新しい物語を作っていきましょう。
内的対話の変化も重要です。批判の声が現れたら、それを思いやりのある声に変えていきます。「あなたはもっと上手くできるはず」という声を「あなたは最善を尽くしている」に変えてみましょう。毎日、肯定的なメッセージを伝え、インナーチャイルドを応援していきましょう。
否定的な信念や制限的な考え方を変容するには、継続的なプロセスが大切です。忍耐強く、思いやりを持って、一度に一つの信念に取り組みましょう。変化の兆しが見えたら、祝うことや喜ぶことも大切です。インナーチャイルドとの対話を通じて、健全で肯定的なイメージを構築していきましょう。
9章 感情の解放と安全な表現
支配的な親もとで育った場合、多くの感情が抑圧され、表現することが安全ではないと学んでいます。「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」「わがままを言うな」のようなメッセージで、自然な感情表現が禁じられています。これらの感情を解放し、表現する方法をあらためて学習する必要があります。
支配的な環境では怒り、悲しみ、傷つき、怖れ、不安、欲求、願望、喜び、興奮などが禁じられやすいです。感情の表現は、一度に全てを解放するのではなく、段階的に行うことが重要です。まず、感情が存在することを認識して認めます。次に、その感情を感じることを許可し、受け入れます。感情が身体のどこに感じられるか、どのような感覚があるかを観察していきましょう。

安全に感情を表現する方法を見つけ、実践してみましょう。文字に書く、声に出して録音する、クッションなどを叩く、体を動かす、ダンスをするなど、さまざまな方法があります。絵を描く、粘土細工をする、音楽を演奏するなど、創造的な表現も有効です。
安全に感情を表現するためには、自分の安全を確保する、圧倒されそうになったら休憩する、感情表現の後に振り返りをすることがポイントです。感情の解放と表現を学ぶことは、インナーチャイルドの癒しと関係しています。感情を適切に表現できると、エネルギーが解放され、本来の自分らしく生きやすくなります。
10章 現実の親との関係を再考する
インナーチャイルドとの対話を深めていくと、やがて現実の親との関係をどのように扱うかが問題になります。支配的な親との関係は複雑で、単純な解決策はありません。その中でも重要なのは、「境界線の設定」です。境界線とは、あなたが許容できることとできないことの明確な区別であり、自分を保護する方法です。
物理的境界線は、身体的接触やプライバシーに関わり、感情的境界線はどのような感情的交流を許容するかを定めます。時間的境界線はあなたの時間の使い方、情報の境界線は個人情報の共有、精神的境界線は価値観や信念に関わります。健全な境界線は明確で、一貫しているものです。
支配的な親との関係では、境界線の設定に困難が伴います。親は「あなたのせいで傷ついた」と反応するかもしれませんが、罪悪感はコントロールの一形態です。境界線を設定することはあなたの権利であり、責任であることを理解しましょう。不快感、怒り、疲労感などの身体的・感情的反応は境界線が侵害されているサインかもしれません。

実践としては、小さな境界線を選定して、段階的に広げていくようにします。「私には時間が必要です」「私の決めたことを尊重してもらいたいです」など、自分の尊厳を守り、例外を作らないようにしましょう。
関係性の難しさにより、第三者の同席が必要になったり、関係性を終わらせることが健全である状況も考えられます。すべての親子関係が修復できるとは言えませんが、できるだけ修復のプロセスを進めることはできます。親からの謝罪を期待せず、自分の癒しのために過去の出来事を伝えることに意味はあるでしょう。
親が依然として支配的であり、過去の問題を受け入れない場合は注意が必要です。自身の安全を守り、接触を制限し、自らの癒しを優先する方が現実的です。理想的な関係を親との間で築けなかったとしても、インナーチャイルドとの対話を続けることで、自分を変えられます。
11章 インナーチャイルドの知恵を日常に活かす
インナーチャイルドとの対話が深まるにつれて、インナーチャイルドは単なる「傷ついた部分」ではなく、豊かな知恵と素質を持つあなたの本質的な部分であることに気づくでしょう。支配的な環境で育った場合、自発的な創造性、好奇心、探究心、遊び心、直感、自由など子どもの自然な資質が抑圧されていることもあります。
支配的な親もとでは、自分の直感より親の判断を優先することを学びます。自分の直感を信頼できるようになることは、自己信頼を回復する上でも重要です。身体の感覚から、「YES・NO」のメッセージを読み取ったり、思いついたことを無視しないことで、直感力は強化されていきます。
支配的な親との関係から影響を受ける領域として、「自己決定の能力」があります。日常のさまざまな選択を意識的に選択し直してみましょう。当たり前に行っていたものも、行っても行かなくてもいいものとして、再選択することで、自分が大切にしたい価値観がわかるかもしれません。

支配的な環境では「NO」を伝えるのが難しいことが多いです。安全な関係の中で少しずつ使ってみて、「私はそれをしません」と言えるまで練習しましょう。消極的な「YES」を言うのをやめ、純粋な意欲から「YES」を使う機会を増やしましょう。
他者に喜ばれることと自分の本当の欲求のバランスをとることも重要です。自分の欲求を犠牲にして他者を喜ばせるパターンに気づき、子ども時代の習慣であることを理解し、現在の関係には必要ないことを認識しましょう。まずは自分を喜ばせるという原則を身につけていきましょう。
インナーチャイルドの知恵を日常に取り入れると、より豊かで自由な人生に向かいます。抑圧された資質を取り戻し、本来の自分自身と深く繋がり、自分らしく生きることができるのです。
12章 継続的な対話と自己成長のためのプラクティス
インナーチャイルドとの対話は一度限りの出来事ではなく、生涯にわたる継続的なプロセスです。この旅を持続可能なものにし、長期的な成長に繋げるためには、日常生活の中に対話と自己成長を組み込むことが重要です。
毎日、数分でもインナーチャイルドに語りかけ、感謝と承認のメッセージを伝えましょう。感情的に強い反応が出た時は、のちにインナーチャイルドと対話する時間を確保しましょう。深い対話のためには、30分~1時間程度の時間を確保し、対話を行いましょう。
対話のプロセスを記録することで、時間の経過とともにインナーチャイルドが変容していく状況を確認できます。対話の内容や気づきを記録し、定期的に読み返してみましょう。記録は文字にこだわらず、インナーチャイルドが送ってきたイメージなども書き留めてみましょう。

インナーチャイルドのワークが難しい場合、サポートを頼ることで前進することもあります。セラピストはトラウマや心理状態への理解が深いため、気づかなかったインナーチャイルドのメッセージも受け取れるかもしれません。
インナーチャイルドとの対話を日常に組み込み、長期的な自己成長のプラクティスとして確立することで、一時的な癒しを超えた深い変容が可能になります。このプロセスは、同じテーマが繰り返し現れて、理解と統合を繰り返すたびに、深まっていきます。このプロセスを忍耐強く、優しさを持って進めていきましょう。それこそが、癒しから始まる支配の解放なのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山田 結子
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