「みんな我慢している」というのろいを解く

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⬜︎目次⬜︎

  1. 1章 我慢することが美徳という刷り込み
  2. 2章 他者と比較する心の癖
  3. 3章 自分の感情を大切にする許可
  4. 4章 健全な境界線の引き方
  5. 5章 新しい生き方への扉

「みんな我慢してるんだから、私だけわがままは言えない」

「他の人も頑張っているのに、弱音を吐くなんて甘えている」

「これくらい我慢するのは当然。文句を言ってはいけない」

そんな心の声が響いて、自分の本当の気持ちを押し殺してしまうことはありませんか。

職場で理不尽な扱いを受けても、家庭で自分の時間がなくても、友人関係で嫌な思いをしても、「我慢しなくては」と飲み込んでしまう。

でも、立ち止まって考えてみてください。「みんな」とは誰のことなんでしょうか。本当にすべての人が我慢を強いられて生きているのでしょうか。そして、我慢することは本当に良いことなのでしょうか。

「みんな我慢している」という言葉は、時として私たちを縛るのろいのように働きます。自分の感情や欲求を大切にすることを禁じ、不満や苦痛を感じることさえ悪いことのように思わせてしまうのです。

今日は、この「のろい」がどのように私たちの心に刻まれたのか、どうすれば自分らしく生きる自由を取り戻すことができるのかを一緒に探ってみましょう。

1章 我慢することが美徳という刷り込み

「我慢は美徳」という価値観は、私たちの社会に深く根ざしています。子どもの頃から「我慢しなさい」「みんな頑張っているのよ」「文句を言ってはいけない」と教えられ、我慢することが立派な人間の証であるかのように刷り込まれてきました。

確かに、ある程度の忍耐力と自制心は、社会生活を送る上で重要な能力です。すべての欲求をそのまま表現していては、人間関係も成り立たないでしょう。

問題は、我慢することが「常に正しい」「常に良いこと」とされてしまうことです。自分の気持ちや欲求よりも、周囲の期待や社会の常識を優先することが、無条件に賞賛されてしまうのです。

このような刷り込みを受けると、自分の感情を主張することに強い罪悪感を覚えるようになります。

「私が我慢すれば丸く収まる」

「私が黙っていれば問題にならない」

「私の気持ちなんて、どうでもいいこと」

こうした思考パターンが心に定着すると、自分の感情や欲求は「わがまま」「自分勝手」「甘え」として否定されるようになります。そして、その否定的な感情を避けるために、さらに我慢を重ねてしまうという悪循環に陥ります。

ここで、大切な問いかけをしてみましょう。我慢することで、あなたは本当に幸せになれているのでしょうか。周囲の人たちとの関係は、良好になっているのでしょうか。

多くの場合、過度の我慢は不満や怒りを蓄積させ、そさまざまな形で表面化します。イライラ、疲労感、虚無感、体調不良として現れることもあります。

真の美徳とは、自分も他者も大切にすることではないでしょうか。自分を犠牲にすることではなく、自分の気持ちを大切にしつつ、他者との調和を図ることなのです。

2章 他者と比較する心の癖

「みんな我慢している」というのろいは、常に他者との比較から生まれます。周りを見渡して、「あの人も頑張っている」「この人も我慢している」と感じることで、自分だけが特別な扱いを求めてはいけないような気持ちになってしまうのです。

でも、この比較には落とし穴があります。

まず、他人の本当の気持ちは、外からは見えないということです。表面的には我慢しているように見えても、感情をしっかり処理している人もいれば、必要なときには主張している人もいるかもしれません。我慢してないように見える人が、内面的には葛藤を抱えていることもあります。

SNSや日常の会話で見る他人の姿は、ほんの一部に過ぎません。「みんな我慢している」と思い込んでいる「みんな」は、私たちの想像の中の存在かもしれないのです。

次に、仮に周りの人が我慢していたとしても、それがあなたも我慢すべき理由にはなりません。人それぞれ、置かれている状況も、持っている力も、必要としているサポートも違います。他者と同じ方法で問題を解決する必要はありません。

あの人にはあの人なりの事情があり、あなたにはあなたなりの事情と背景があります。

比較することで見失ってしまうのは、あなた自身の価値です。「他の人と比べれば大したことない」と思うことで、自分の辛さや悲しさを軽視してしまうのです。

感情に大小はありません。あなたが感じている痛みや不満は、他者と比較して測るものではなく、あなたにとって意味のある信号なのです。

比較ののろいから解放されるためには、「他人軸」から「自分軸」への転換が必要です。「みんながどうしているのか」ではなく、「私はどう感じているのか」「私にとって何が大切か」「私はどうしたいか」ー自分の内側に意識を向けることから始めましょう。

3章 自分の感情を大切にする許可

長年の我慢癖がついている人にとって、「自分の感情を大切にする」ことは、とても難しいことです。なぜなら、それは「悪いこと」「わがままなこと」として封印してきた部分を解放することだからです。

でも、感情を大切にすることは、わがままでも自分勝手でもありません。むしろ、健康的な人間関係や充実した人生を送るために必要なスキルなのです。

1)感情の役割を理解することから始めましょう

感情は、あなたの心と体からの重要なメッセージです。怒りは「何かが侵害されている」、悲しみは「何かを失った」、怖れは「注意が必要」だと教えてくれます。

これらの感情を無視したり、押し殺したりすることは、警告灯を無視して車の運転を続けるようなものです。一時的には問題なくても、やがて大きなトラブルに発展する可能性があります。

2)感情を感じることを自分に許可してみましょう

「怒りを感じてもいい」

「悲しくなってもいい」

「寂しくなってもいい」

これらの感情を持つことは、人間として自然なことです。完璧な人間などいませんし、常にポジティブでいる必要もありません。

感情を感じることと、その感情に基づいて行動することは別のことです。

怒りを感じても怒鳴る必要はありません。悲しみを感じても泣き崩れる必要はありません。まずは、その感情が自分の中にあることを認めることから始めましょう。

3)感情を言葉にする練習をしてみましょう

日記を書いてみる、信頼できる人に話をする、1人で呟いてみるーなど、どんな方法でも構いません。「今、私は〇〇だと感じている」と言葉にすることで、感情は整理され、対処しやすくなります。

最初は罪悪感を感じるかもしれません。「こんなことを考える私はダメな人間だ」と思ってしまうかもしれません。それは自然なことです。長年封印してきたものを解放するのですから、戸惑いがあって当然なのです。

4)感情を大切にする練習をしましょう

自分の感情を適切に処理できる人は、他人に優しくすることも難しくなってしまいます。でも、自分の感情を健全に処理できれば、より深い思いやりを持って他人と接することができるのです。

4章 健全な境界線の引き方

「みんな我慢している」というのろいから解放されるために最も重要なのは、健全な境界線を引くことです。境界線とは、「ここまでは大丈夫だけれど、ここから先は受け入れられない」というあなた自身の限界を明確にすることです。

境界線を引くことに、罪悪感を感じる人もいます。「冷たい人だと思われるのではないか」「協調性がないと思われるのではないか」ーそんな不安があるのも自然なことです。

でも、境界線がない関係は、健全な関係とは言えません。お互いの領域が曖昧になり、依存や搾取が起こりやすくなってしまうからです。

1)境界線を引く第一歩は、自分の限界を知ること

どんなことなら受け入れられて、どんなことは受け入れられないのか。どこまでなら協力できて、どこから先は無理なのか。自分の感情や体調に注意を払いながら、その線引きを見つけていきましょう。

疲れているときに追加の仕事を頼まれたとき、プライベートな質問をされたとき、理不尽な要求をされたときーそうした場面で、あなたの心と体はどんな反応をしているでしょうか。その反応が、あなたの境界線を教えてくれる重要なサインなのです。

2)境界線を相手に伝える技術を身につけましょう

境界線を引くことは、相手を拒絶することではありません。自分の状況や気持ちを正直に伝え、お互いにとって良い解決策を見つけることです。

「申し訳ないのですが、今日は疲れているので、その件は明日相談させてください」

「今回はお手伝いできませんが、別の方法でサポートできることがあれば教えてください」

このように、「NO」と言いながらも、相手への配慮や代替案を示すことで、関係を壊すことなく境界線を維持することができます。

3)境界線を守る練習を積み重ねましょう

最初は小さなことから始めましょう。疲れているときに「疲れてます」という、嫌なことを頼まれたときに「考えさせてください」という、自分の意見があるときに「私はこう思います」という。

これらの小さな練習が積み重なることで、あなたは自分の境界線を守ることに慣れていきます。そして、周りの人もあなたの境界線を尊重するようになっていくのです。

4)境界線は愛情の表現でもあります

健全な境界線があることで、あなたは長期的に無理のない良い関係を維持することができます。不適切な我慢を続ければ、いずれ関係が破綻してしまうかもしれません。しかし、適切な境界線があれば、お互いを尊重し合える、持続的な関係を築くことができるのです。

5章 新しい生き方への扉

「みんな我慢している」というのろいを解くことは、人生の大きな転換点となります。それは、他人の期待や社会の常識に振り回されることなく、自分の価値観に基づいて生きる自由を取り戻すことだからです。

我慢をやめることで、最初は罪悪感や不安を感じるかもしれません。「本当にこれでいいのだろうか」「孤立してしまうのではないか」ーそんな声が心の中で響くかもしれません。

しかし、まずは安全な範囲で続けてみましょう。自分の感情を大切にし続けることで、心に余裕が生まれることに気づくでしょう。境界線を引くことで、人間関係はより健全になります。他人との比較をやめることで、自分らしさを取り戻せます。

そして何より、あなたが自分らしく生きることで、周りの人たちに良い影響を与えることができます。自分の感情を大切にする人は、他人の感情も尊重できます。健全な境界線を持つ人は、他人の境界線も尊重できます。

「みんなが我慢している」というのろいは、実は「みんな」を縛っている鎖なのかもしれません。あなたがその鎖を断ち切ることで、周りの人たちにも「我慢しなくていいんだ」という気づきを与えることができるのかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

山田 結子

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