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⬜︎目次⬜︎
「今日も1日、何事もなく過ぎていった」。そんな風に思いながらも、心のどこかでモヤモヤとした違和感を感じていませんか。嬉しいことがあっても素直に喜べない、悲しいことがあっても涙が出ない、怒りを感じても「こんなことで怒ってはいけない」と自分を押さえてしまう。そんな毎日を送っている人は、決して少なくありません。
感情を抑え込むことが習慣になってしまうと、まるで心に厚いベールがかかったような状態になります。周りからは「いつも冷静で大人だね」と言われることもあるでしょう。でも、本当のあなたはどこか生きづらさを感じているのではないでしょうか。
今日は、そんなあなたの心に寄り添いながら、感情との新しい関係性を築いていく方法をお伝えしていきます。感情は私たちの大切な仲間です。抑え込むのではなく、上手に付き合っていくことで、人生はずっと豊かで生き生きしたものになるはずです。
1章 なぜ感情を出すことが怖いのか
感情を抑え込んでしまう背景には、深い理由があります。多くの場合、それは幼少期の体験に根ざしています。
「泣いちゃダメ」「怒ってはいけない」「いい子は笑顔でいるもの」。こうした言葉を繰り返し聞かされて育った人は、自由に感情を表現することに対して、怖れを持つようになります。子どもの頃の純粋な感情表現が否定された、無視された経験は、心の奥深くに「感情を出すと愛されなくなる」「本当の気持ちを見せると嫌われる」という信念を植え付けてしまうのです。

また、完璧主義的な環境で育った人は、感情をコントロールできない自分を「弱い」「未熟」だと考えがちです。常に理性的でいることが「大人らしさ」だと思い込み、感情の波に揺れる自分を受け入れることができなくなってしまいます。
さらに、過去に感情を表現したときに傷ついた経験がある人は、同じような痛みを避けるために感情に蓋をしてしまうことがあります。「本音を言ったら相手に拒絶された」「怒りを表現したら関係が壊れた」という体験は、感情表現に対する怖れを強化してしまうのです。
これらの怖れは、過去の体験に基づいたものであり、現在のあなたにとって必ずしも脅威ではありません。大人になったあなたには、感情を適切に表現したり、健全な人間関係を築く力がそわなっています。まずは、この怖れの正体を理解することから始めてみましょう。
2章 感情の蓋を少しずつ開ける練習
長い間押さえ込んできた感情と向き合うのは、勇気のいることです。でも、一度にすべてを解放する必要はありません。長い間閉ざされていた部屋の窓を、少しずつ開けていくように、ゆっくりと自分のペースで進めていけばいいのです。
まず初めに取り組みたいのは、感情に気づく練習です。多くの人は、感情を抑え込むことに慣れすぎて、そもそも今自分がどんな気持ちでいるのかわからなくなっています。1日の終わりに、静かな場所で自分の心に問いかけてみてください。「今日はどんな気持ちだったかな」「何がうれしかったかな」「何にモヤモヤしたかな」。最初は曖昧であっても十分です。自分の内側に意識を向ける習慣を作ることが大切です。

次のステップは、感情を言葉にする練習です。日記やメモ帳を活用して、感じたことを素直に言葉にしてみましょう。「今日は同僚の言葉にイラッとした」「友人からの連絡が嬉しかった」「なんとなく寂しい気持ちになった」。どんな些細かことでも構いません。感情を言語化することで、漠然とした気持ちがクリアになり、自分自身を理解するきっかけになります。
感情を体で感じる練習も効果的です。嬉しいときは胸が温かくなる、悲しいときは胸が冷たくなる、怒っているときはこめかみに力が入るなど。感情は体の感覚として現れることが多いため、普段は見過ごしがちな体のサインに注意を向けることで、感情をより深く理解できるようになります。
そして、小さな感情から表現してみることも大切です。いきなり大きな怒りや深い悲しみを表現するのは難しいかもしれません。「今日のお天気、気持ちいいですね」「このケーキ、本当に美味しい」といった小さな喜びから始めてみましょう。ポジティブな感情の表現に慣れることで、徐々に他の感情も表現しやすくなっていきます。
3章 安全な場所で本音を話すことの大切さ
感情を表現する練習をするとき、最も重要なのは「安全な場所」を確保することです。安全な場所とは、あなたがありのままの気持ちを表現しても、批判されたり拒絶されたりしない環境のことです。
まず考えられるのは、信頼できる友人との関係です。長年の付き合いがあり、あなたのことを深く理解してくれている人がいるなら、その人に少しずつ本音を話してみるのも良いでしょう。ただし、長年付き合っている家族のような関係だと、相手の変化を認めたくない気持ちが働く場合もあります。相手に受け入れられる余裕があるのかを確認した上で、話し始めましょう。

日記や手紙という形で感情を表現することは、1人でできる安全な方法です。誰かに見せるわけではないので、どんなに生々しい感情でも、遠慮なく書き出すことができます。感情を文字にすることで、心の中のモヤモヤが整理され、客観的に自分の気持ちを見つけることができるようになります。
安全な場所で感情を表現する経験を積むことで、徐々に日常生活でも自然に気持ちを伝えられるようになります。最初は勇気がいるかもしれませんが、受け入れられた体験が自信となり、より豊かなコミュニケーションを築く基盤となっていくのです。
4章 感情と上手に付き合う新しい関係性
感情を抑え込む習慣から脱却し、健全な感情表現を身につけたら、次は感情と上手に付き合う新しい関係性を築いていきましょう。ここで大切なのは、感情を「コントロールする」のではなく「共存する」という考え方です。
まず理解したいのは、全ての感情には意味があるということです。怒りは「大切なものが脅かされている」というサイン、悲しみは「失ったものへの愛情」の表れ、怖れは「注意が必要である」という警告、喜びは「価値あるものに出会えた」という祝福です。感情を敵視するのではなく、自分の心からの大切なメッセージとして受け取りましょう。

感情の波にはリズムがあります。激しい怒りも深い悲しみも、時間と共に和らいでいきます。感情に飲み込まれているときは、永遠に時間が続くような気がしますが、実際はそうではありません。「この気持ちも一時的なもの」「波のように寄せては返していく」と思えるようになると、感情に振り回されることが少なくなります。
感情を表現する時のコツは、「私」を主語にしてメッセージを使うことです。「あなたが悪い」ではなく「私はこの状況を見て悲しく感じる」と表現します。「みんながおかしい」ではなく「私は困惑しています」というように、自分の状況を伝えることで、相手を責めずに気持ちを共有できます。このような工夫をすることで、感情表現が相互理解や親密さを生み出すきっかけになります。
また、感情と同時に理性も働かせることを学びましょう。感情を感じることと、感情に基づいて行動することは別です。怒りを感じても暴力的になる必要はないし、悲しみを感じても絶望しなくて良いのです。感情を受け入れながらも、建設的な行動を選択することで、成熟した大人として感情と付き合えます。
何より、自分の感情に対して優しくなることを忘れないでください。「こんなことで怒ってはいけない」「もっと強くならなければ」と自分を責めるのではなく、「今、こんな気持ちなんだね」「大変だったね」と、親友を慰めるように自分の心に寄り添いましょう。
感情との新しい関係を築くのは、一朝一夕にはいきません。長年の習慣を変えるには時間がかかります。でも、その過程で少しずつ自分らしさを取り戻し、人生に彩りが戻ってくることを実感するはずです。感情は私たちを人間らしく、生き生きとさせてくれるものなのです。
あなたの心の声に耳を傾け、感情という内なる友達と仲良くなっていくことで、きっと今よりも自分らしく、豊かな人生を歩んでいけるようになるでしょう。一歩ずつ、自分のペースで進んでいけば大丈夫です。あなたの心は、正しい方向へと導かれていくはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山田結子
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