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⬜︎目次⬜︎
「また同じ失敗をしてしまった」「なぜかうまくいきそうになると、自分で壊してしまう」そんな経験はありませんか。せっかく築いた人間関係を自ら台無しにしたり、チャンスが目の前にあるのに逃げてしまったり、体調を崩すとわかっていながら無理を続けたり。こうした行動の背景には、自己破壊欲求が潜んでいるかもしれません。
自己破壊欲求とは、意識的・無意識的に自分自身を傷つけたり、幸せから遠ざけたりする心の動きです。これは決して特別な人だけが抱える問題ではありません。多くの人が、気づかないうちにこの欲求に支配されていることがあります。大切なのは、その存在に気づき、なぜそうした欲求が生まれたのかを理解していきましょう。
1章 なぜ自分を壊そうとするのか
人が自己破壊的な行動をとる理由は、とても複雑です。表面的には自分を傷つけているように見えても、心の深い部分では何らかの目的を果たそうとしています。
例えば、幼い頃に「良い子でいなければ愛されない」と感じて育った人は、大人になっても「完璧でなければ価値がない」と信じているかもしれません。そうした人にとって、成功は怖れでもあります。なぜなら、成功すればより高い期待をかけられ、完璧であり続けるプレッシャーが増すからです。そこで、成功する前に自分で失敗を選ぶことで、期待から逃れようとするのです。

また、親や周囲の人から否定的なメッセージを繰り返し受けて育った場合、「自分はダメな人間だ」という信念が心の奥深くに根付いていることがあります。すると、たとえ良いことが起きても「こんな自分に相応しくない」と感じ、無意識にその状況を壊そうとします。自分を罰することで、心のバランスをとろうとしているのです。
さらに、愛情や関心を得る手段として、自己破壊的な行動が学習されている場合もあります。子どもの頃、体調を崩したときや失敗したときにだけ優しくもらえた経験があると、苦しむことが愛情を得る方法だと学んでしまいます。大人になってからも、無意識にそのパターンを繰り返してしまうのです。
2章 自己破壊欲求のサイン
自己破壊欲求は、さまざまな形で現れます。以下のような行動パターンに心当たりはありませんか。
うまくいきそうになると、なぜか自分から関係を壊したり、仕事を投げ出したりしてしまう。本当は休みが必要なのに、限界まで働き続けて体調を崩す。健康に悪いと分かっていながら、お酒やタバコ、過食などをやめられない。自分を大切にしてくれる人よりも、自分を雑に扱う人に惹かれてしまう。

また、言葉の面でも現れます。「どうせ私なんて」「私には無理」といった否定的な言葉を繰り返したり、自分の成果を認めず「たまたまうまくいっただけ」と過小評価します。褒められても素直に受け取れず、「そんなことない」と打ち消してしまう。
こうした行動や思考パターンが日常的に繰り返されているなら、自己破壊欲求が働いている可能性があります。重要なのは、これらを「悪い癖」として自分を責めるのではなく、心が何かを訴えているサインとして受け止めることです。
3章 気づくことから始まる変化
自己破壊欲求の問題に向き合う第一歩は、その存在に気づくことです。気づくだけで、すぐに変わるわけではありません。しかし、気づくことで、無意識の行動パターンに意識の光を当てることができます。
まず、自分の行動を観察してみましょう。うまくいきそうなときに何を感じているか、失敗した後にどんな気持ちになるか、自分に対してどんな言葉をかけているか。日記をつけるのも良い方法です。感情や行動のパターンが見えてくると、自己破壊的な行動がどんなときに現れやすいかが分かってきます。

次に、その行動の背後にある感情に目を向けます。「うまくいくのが怖い」「愛される資格がないと感じている」など、心の奥にある本音に気づいていくのです。ここでは、自分を責めないことが大切です。そうした感情が生まれるには、必ず理由があります。
過去の経験を振り返ってみましょう。幼い頃、どんな環境で育ったか。どんなメッセージを受け取っていたか。愛情をどのように感じていたか。傷ついた経験はなかったか。自己破壊欲求の多くは、インナーチャイルドと呼ばれる、心の中の傷ついた子どもの部分から生まれています。その傷に気づき、受け入れることが癒しの始まりです。
4章 新しいパターンを選ぶ
気づきを得たあとは、少しずつ新しい選択をしていきます。いきなり全てを変える必要はありません。小さな一歩から始めましょう。
例えば、自分を否定する言葉が浮かんだときに、「この考えは本当だろうか」と問いかけてみる。うまくいきそうな時の不安を感じたら、「この不安はどこからきているのか」と自分に尋ねる。成功を怖れる気持ちに気づいたら、「成功してもいい」と自分に許可を出してみる。
また、自分を大切にする練習も重要です。十分な睡眠をとる、好きなものを食べる、心地よい時間を過ごす。こうした小さな選択の積み重ねが、「自分は大切にされるに値する」という新しい信念を育てていきます。
周囲の人に助けを求めることも、ときには必要です。信頼できる友人に話を聞いてもらう、カウンセリングやセラピーを受ける、自分と同じような経験をした人のコミュニティに参加する。1人で抱え込まず、サポートを得ることは、弱さではなく強さの表れです。

自己破壊欲求は、長い時間をかけて形成されたパターンです。だからこそ、変化にも時間がかかります。途中で失敗したり、元のパターンに戻ったりすることもあるでしょう。それでも、気づいていることが大切です。気づいていれば、また新しい選択をすることができます。
自分を破壊する必要はありません。あなたは、そのままで愛される価値があります。幸せになる権利があります。自己破壊欲求という心の声に気づき、優しく向き合うことで、あなた自身を大切にする生き方へと、一歩ずつ進んでいけるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山田 結子
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