【コラム】ボルダリングで気づいた「支える力」

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⬜︎目次⬜︎

こんにちは、山田結子です。

先日から、ボルダリングジムに通い始めました。専用のゴム靴を履き、壁のホールドをたどってゴールを目指す、シンプルなスポーツです。ところが実際にやってみると、体も頭も使う奥深い世界でした。

壁の上で動けなくなったとき、どうすれば乗り越えられるのか。そう考えるうちに、日常で行き詰まったときにも通じる気づきがありました。今回は、そのお話をします。

壁の上で、片手を離せなくなった

壁の上のほうに近づくと、怖くなってきます。小さな足場に足をのせ、両手でホールドをつかんだままじっとしていると、じわじわと焦りが湧いてくるのです。もともと鉄棒や雲梯が苦手だった私は、長くぶら下がっていると手が真っ赤になり、痛みも出てきます。

傾斜がつくと、さらに難しくなります。足をのせても滑りやすく、体はホールドにぶら下がる姿勢になるからです。次へ進むには、片方の手を離さなくてはなりません。頭ではわかっています。手を離さなければ進めない。けれど、離したら落ちそうな気がする。そうして左右のホールドをつかんだまま、動けなくなる瞬間が訪れます。

下に安定した足場がなければ、戻るのにも体力が要ります。葛藤の末、帰り道の体力を残すために、先に進むのを断念することもあります。

怖さの正体は「支える力」の不足だった

どうすれば乗り越えられるのか、考えてみました。背筋のトレーニングは毎日していますが、それだけでは足りない気がします。同じ場所を何度か行き来するうちに、あることに気づきました。

右手でホールドをつかみに行く間、体を支えているのは左手です。そして、限界を訴えてくるのは、いつも左手のほうが先でした。右手にはまだ余裕があるのに、支えている左手が先にダウンしていたのです。

私は右利きで、なんでも右ばかり使ってきました。そのため、左側の支える力が十分に育っていなかったのです。つまり、怖さの正体は「勇気が足りない」ことではなく、「支える土台が弱い」ことでした。

「勇気があれば、手を離して進めるはず」と気合いで挑み、本当に落ちてしまうと、その体験が怖さをさらに強めてしまいます。強いところをもっと強くするより、弱いところを底上げするほうが、安全に乗り越えられます。

体の疲れを「性格の問題」にしていないか

怖さの正体が「支える力の不足」だとわかって、方向性が見えやすくなりました。私たちは、動けなくなったとき、体の問題をほかの理由に結びつけてしまうことがよくあります。

たとえば買い物です。重い荷物を持って歩いて帰るのは、意外と負荷が高いものです。体力がなく姿勢も悪いと、買い物が億劫に感じられます。本当の原因は「体力不足」や「姿勢の悪さ」なのに、「私は怠け者だから」「能力がないから」と、もっともらしい理由を探してしまうのです。

会社勤めがつらいときも同じです。体力が落ちているだけなのに、「人間関係で疲れているのかな」「最近難しい仕事が増えたからかな」と考え始めると、簡単には解決できない問題が増えていきます。長時間座っているのがつらいのは、勉強や仕事が嫌いだからではなく、姿勢が悪いからだった、ということもあるでしょう。

体力不足なら、日常に運動を取り入れるだけで解決することもあります。体の疲れを性格や能力の問題にすり替えるのは、遠回りです。「やる気が出ない」と考える前に、体が無理をしていないか、サポートが必要な場所はないかを見てみてください。一度思い込んだ考えは、簡単には変わりません。それでも、「体がついてきていないだけかも」という可能性を持つだけで、行き詰まりがほどけることもあります。

弱さに出会ったとき、人がやりがちな3つの反応

原因が体にあるとわかっても、そこで終わりではありません。弱さに気づいたとき、人はつい極端な反応をしがちです。

ひとつめは、責めること。できていないところを、必要以上に攻撃してしまいます。ふたつめは、無視すること。弱さなどないふりをして、強いところだけで頑張り続けます。みっつめは、庇いすぎること。苦手なことから遠ざかり、挑戦そのものをやめてしまいます。

どれも、弱さそのものを見ていない対応です。左腕が弱いと気づいて、無理なトレーニングをしたり、左右差をそのものを無視したり、利き手ではないからと諦めたりしていては、状況は変わらないのです。

私自身、左右差があることは頭ではわかっていました。足の大きさや長さも、耳の聞こえ方も、目の見え方も、左右で違います。それなのに、現実にどれほどの差があるのかを見ようとせず、軽く見ていました。これは「無視」の一例だったと思います。

弱さを見て落ち込むこともあるでしょう。それでも、責めるのでも、無視するのでも、庇うのでもなく、「ここが弱いから、少しずつ整えよう」と選ぶことはできます。

弱いところを整えると、「自分で自分を支える」安心感が育つ

弱い部分を少しずつ強くしていくと、「何かあっても、自分で自分を支えられる」という安心感が育っていきます。気合いで踏ん張るのではなく、踏ん張るための土台を作るということです。この土台があると、できること・できないことの線引きもしやすくなります。

体を整える方法は、筋トレに限りません。散歩でもストレッチでも構いません。大切なのは、自分の弱い部分を見つけ、そこに適切な負荷をかけることです。

壁の上で動けなくなったとき、必要だったのは勇気ではなく、原因を正しく見ることでした。日常でも同じかもしれません。動けなくなったときこそ、「これは気持ちの問題か、それとも土台の問題か」と、一度立ち止まってみたいですね。

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この記事を書いた人について

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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。

インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。

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