【コラム】筑波山で知った、自分の限界と「なんとなく」の落とし穴

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「なんとなく」で決めた筑波山が、自分の限界を教えてくれた

こんにちは、山田結子です。

連休の最終日、夫と筑波山へ行ってきました。筑波山登山では、初めての晴天で、空気も澄んでいて、とても気持ちのいい朝でした。私たちは早朝に出発し、午前中に登りきるのがいつものスタイルです。この日は「下りも歩いてみようか」と事前に話していました。ただ、体の状態によっては無理をしないつもりで、あくまで「なんとなく」の決めごとでした。

ところが、車で向かう途中に見えた電光掲示板には「ケーブルカー運休」の文字。その瞬間、「歩いて下りてもいいかな」というぼんやりした選択肢が、「歩いて下りよう」という決定事項に変わりました。

登ったあとの疲れや気分に合わせてケーブルカーを選べるのは、とてもありがたい仕組みです。挑戦はするけれど、退路は確保されている状態だからです。それがなくなり、少し緊張感が出てきました。ロープウェイもありますが、山の反対側にあり、歩いて向かう距離ではないので候補に入れませんでした。

前に何度か来ているという油断もあったと思います。男体山と女体山の本殿は両方参拝したいと考えていたものの、細かいことは調べないまま、山登りがスタートしました。

「いつもの感覚」が、後半の失速を生んだ

これまで私たちが登ってきたのは、300~400メートルの山が中心です。一方、筑波山は男体山が871メートル、女体山が877メートル。しかも、いつも登りだけ歩いて、下りはケーブルカーを使っていました。体に不調があるときは、無理をせずケーブルカーで下りる。それが私たちの定番でした。

男体山側の御幸ヶ原コースは往復で約160分、両方の本殿を参拝すると1時間ほど加わります。概算では約220分のはずが、実際には往復で約4時間半かかりました。

理由はいくつかあります。

・登山客が多く、道を譲ったり、休憩を多めにとったりしたこと

・ボルダリングの影響で筋トレを始め、体重が少し増えて体が重く感じたこと

・体重のかかり方や重心の取り方が、以前と変わったような感覚があったこと

どんな歩き方がいいのか、考えがまとまらないまま体を動かしていました。

そして下りで転び、太ももとふくらはぎを打撲してしまいました。右足が軽くしびれたため、いつも右足から出す歩き方を、左足からに切り替えました。そのあたりから疲れが一気に強くなり、一歩一歩がきつくなりました。

振り返ると、「3時間くらいで終わる山」という感覚で、無意識に歩く時間配分をしていたことが、後半の失速につながったと思えました。

私自身も登山経験が豊富なわけではありません。夫は私よりさらに初心者なので、あまり細かいところまで考えが及びませんでした。

「同じ山」だと思った瞬間、準備が甘くなっていた

この日は、男体山と女体山の両方の本殿に参拝し、女体山側から下りたいと考えていました。女体山側は比較的緩やか、巨石がたくさん並んでいて、参拝にも向いたコースだからです。

ところが、男体山から女体山の本殿に着くと、写真撮影の列ができていました。混雑を避けようとして出口を間違えてしまい、女体山側の白雲橋コースから下りるのは断念。行きと同じコースを戻ることにしました。

事前にマップを確認したり、写真を見ておいたりすれば、間違えずに済んだはずです。「下りも歩く」という意図が、まだ弱かったのだと思います。本気でそう決めていたなら、コースも事前に再確認していたでしょう。

「前にも行ったから大丈夫」と思った瞬間、私たちは確認をやめてしまいます。「同じ」だと感じると、目の前の状況を見る目が甘くなるのです。慣れた場所ほど、この「わかったつもり」が起こりやすいのかもしれません。

おそらく、日常でも同じことが起こっています。たとえば、よく会う人との会話。つい「いつもの感じ」で済ませてしまいますが、相手の体調も気持ちも、毎日少しずつ違います。今回の山でも、「なんとなく」の決めごとのまま進んでしまい、確認が足りませんでした。

「今日は初めて」という気持ちで向き合うと、「今日はどうしたい?」「どこまでやりたい?」と、自然に聞きたくなります。同じ場所でも、同じ人でも、毎回新しい体験にできる。そう考えると、準備も会話も、少し丁寧になれる気がします。

「一人前になった気がする」夫と、体の使い方を試していた私

下山後、夫は「ケーブルカーを使わなかったことで、一人前になった気がする」と話していました。夫なりに得たものがあったようで、いい体験になったようでした。一方、私は体の使い方をいろいろ試せた日だったと感じています。ボルダリングで使う筋肉を意識しながら登り下りしたり、けがをしたあとは左足から前に出すようにしたりしました。左足を前にすると、ちょっとした段差にも慎重になります。意外と怖くて、一度座ってからずり落ちるように下りる場面もありました。

私たちにとって、後半の1時間はとてもきつい時間でした。これまで経験したことのない下りは、限界を超えるような感覚を与えてくれました。

下山後、食事をしているときに、夫が「ここにもまた来なきゃ」「次は泊まりたいね」と言ったのには、正直驚きました。あれだけ大変な思いをして歩いたので、「もう嫌だ」と言い出すかもしれないと思っていたのです。

これまでは、運動がわりの日帰り登山でした。今回をきっかけに、新しい展開が始まるのかもしれません。

枠を越えて知った限界と、あの体験がくれたもの

ちなみに、帰りの車はつらかったです。疲れていなければ多少の渋滞も我慢できますが、この日はそうはいきません。私はけがをしていて、夫も肩が痛いと言っていました。

帰宅後の二日間は、あちこちが痛みました。かなり強い筋肉痛に悩まされ、これまで続けていた筋トレも休まざるを得ませんでした。けがをした部分は青紫色になり、腰の痛みも感じながら過ごしました。

今回、枠を越える歩き方をして、自分たちの限界がわかりました。4時間以上歩く山なら、できれば宿に泊まったほうがいいということです。そこでしっかり体をメンテナンスしてから帰るほうが、むしろ安全で、結果的に効率もいいかもしれません。

ただ、自分の枠を越える意味ではいい体験でした。

ギリギリの状態になって、自分が何を選択するのかという感覚を使った気がします。日常の体験では、なかなかここまで自分を追い込むようなことはないので、思い出しても受け取れるものがまだまだありそうだと思いました。

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この記事を書いた人について

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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。

インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。

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