「いい子」の仮面の下にいる、小さな自分に会いに行く

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ちょっとしたことで罪悪感が湧いてくる

休日に何もしないでいると、なぜか落ち着かない。人間関係で少しすれ違っただけで、自分はダメなのではないかと思う。誰かの誘いを断っただけで、悪いことをしたような気がする。

そんな経験はありませんか。周りからは「しっかりしてるね」と言われるのに、心の中ではいつも自分に厳しい声が響いている。うまくいっても安心できず、休んでも満たされない。頑張っているのに、自分を認められない。その繰り返しに、疲れ切っている方も多いのではないでしょうか。

この苦しさは、あなたの性格が弱いからでも、考え方が間違っているからでもありません。幼い頃に身についた「善悪の感覚」が、今も心の中で働き続けているのかもしれません。この記事では、その苦しさがどんな経験から生まれたのかを辿りながら、「いい子」の仮面の下にいる小さな自分と向き合う道を考えていきます。

「いい子でいないと愛されない」と学んだ子ども時代

親の善悪の感覚が強い家庭では、日常のあらゆることが「良いこと」と「悪いこと」に分けられます。すると子どもは、存在そのものではなく、良いことをしたかどうかで評価されるようになります。

言うことを聞けば「いい子」、わがままを言えば「悪い子」。この経験が重なるうちに、子どもは「いい子にしていないと愛されない」と学びます。これが、条件付きの愛です。

子どもにとって、親に愛されることは生き延びることに直結します。悪い子になることは、愛を失うことと同じに感じられるのです。だから、わがままを言わない、人に迷惑をかけない、文句を言わず頑張るといった形で、「いい子」の仮面を身につけていきます。それは、幼い心なりの自然な工夫でした。

周りから見れば、優秀で手のかからない子です。そのため、無理をしていることに、親も周りも、そして自分自身も気づけません。

大切なのは、いい子でいたのは性格や頑張りの問題ではなく、愛されたいという自然な願いからだったということです。この過程で、インナーチャイルドの傷の土台ができていきます。大人になった今も「何かができた時だけ価値がある」という感覚が抜けないのは、そのためかもしれません。成果や役割を手放すと、何も残らないような不安がつきまとうのです。

気持ちを閉じ込め、「内なる裁判官」が生まれるとき

善悪の感覚が強い家庭では、気持ちにも「良い・悪い」のレッテルが貼られがちです。笑顔や感謝は良いもの、怒りや悲しみ、甘え、わがままは悪いもの、というように。

「そんなことで怒ってはダメ」「泣いてはいけない」と言われ続けると、子どもは気持ちを感じること自体に罪悪感を持ちます。そして、感じないように心を切り離していきます。その結果、大人になってから「自分は何が好きなのか」「本当はどうしたいのか」がわからなくなるのです。

さらに、親の基準は心の中に住みつき、自分を監視し、裁く「内なる裁判官」になります。「怠けている」「浮かれている」「だからダメなんだ」と、厳しい親が心の中にずっと座っているような状態です。

この裁判官は、他人にも向けられます。家族の言動にイライラしては、そんな自分を責める。相手にも無意識に「良い・悪い」の物差しを当ててしまうため、本音を出せず、弱さも見せられず、関係が表面的になってしまいます。

気持ちは本来、良いも悪いもなく、自分に何かを知らせてくれるサインです。怒りは大切なものが脅かされているサイン、悲しみは大切なものを失ったときに生まれる感情です。こうした自然な気持ちを禁止されると、自分を守る力が弱まってしまいます。気持ちを認めることは、わがままではなく、自分を大切にする土台なのです。

親も善悪の基準で自分を守ってきた

ここまで読んで、親を責めたい気持ちが湧いたり、苦しさが出てきたりした方もいるかもしれません。それも自然な反応です。

善悪の感覚が強い親は、自分自身も同じ基準で育てられていることが少なくありません。叱られないように、見捨てられないように、「良い人」でいるしかなかったのです。その強さの裏には、親自身の不安があることも多いものです。厳しさの裏に、「間違った人間にしてはいけない」という不器用な愛情があった場合もあります。ただ、その愛情は条件付きの形でしか届きませんでした。

子どもに「ちゃんとして」と言ったのも、そうすれば子どもが傷つかないと信じていたからでしょう。同時に、それは親自身が安心するための方法でもありました。親にとって善悪の基準は、生き延びるための手段だったのです。そしてあなたにとっても、当時はそれが必要でした。

「親にも、自分にも事情があった」と思えるようになる方もいます。当時のあなたが我慢して「いい子」でいたのは、精一杯の選択でした。そうして、家族の中で安心して過ごせる場所を守っていたのです。

ただ、親の基準が今のあなたにとって窮屈で辛いものなら、「私は私の感覚を大切にして生きる」と決めていいのです。親の事情を理解することは、許すことでも、これまでと同じように関わり続けることでもありません。理解したうえで関わり方を変えることも、あなたが選んでいい道です。

小さな自分に話しかけ、「ずっと我慢してきたんだね」と伝える

ここまでの話は、あなたの中にいる小さな自分の話でもあります。少しだけ、視線を自分の内側に向けてみましょう。

心の奥には、「いい子」でいるために言えなかった気持ちを抱えた、小さな自分がいます。本当は甘えたかった。泣きたかった。怒りたかった。ただ、「素直でいていいよ」と言ってほしかった。その子は今も、「いい子」の仮面の下で、誰にも見せられない気持ちをひとりで抱えています。

小さな自分を思い浮かべて、話しかけてみましょう。「今、どんな気持ち?」「何を感じている?」。答えが出なくても、繰り返すうちに少しずつ対話ができるようになります。最初は言葉が返ってこないこともあります。話してもいいんだと思えるまで、時間がかかるのです。

どんな表情か、どんな場所にいるか、どんな姿勢でいるか。じっと見つめていると、少しずつ反応が増えてくるでしょう。本当は遊びたかったのに我慢していた、と伝えてくるかもしれません。そのときは、その気持ちを否定せずに受け止めてください。

気持ちが見えてきたら、こんな言葉をかけてみましょう。「ずっと我慢してきたんだね」

あなたを裁いてきた厳しい声は、この子を守ろうとしていたのだ、という見方もできます。我慢しなければ見捨てられる、怒られると感じていたのでしょう。その声に「もうそんなにしなくていいよ」と伝えるのも、自分への優しさです。

小さな自分との対話は、ゆっくり、できる範囲で進めて大丈夫です。つらい記憶や強い感情が出てきたときは、無理に続けず、いったん中断してください。気持ちが落ち着いたら、また少しずつ続ければ十分です。

小さな自分が安心して過ごせる時間が増えると、少しずつ息がしやすくなります。休んでいる時も、楽しんでいる時も、本音を言う時も、「ここにいていい」という実感が高まっていきます。それが、生きている実感の始まりです。

今日、小さな自分に「お疲れさま」と声をかけることから始めてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

山田 結子

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この記事を書いた人について

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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。

インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。

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