完璧を目指すのをやめたら、本当の成長が始まる

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話し合いの中で、本当は反対なのに、反対意見を言えなかった。言いたいことを飲み込んで、そっとため息をつく。そんな経験はありませんか。

もっと自分を磨けば、もっと強くなれば、きっと楽になれる。そう信じて頑張ってきた方も多いと思います。でも、頑張るほどなぜか疲れが増えていく。もしそう感じているなら、努力の方向が少しずれているのかもしれません。

この記事では、「完璧になる」こととは別の、もうひとつの成長の道をお伝えします。

「完璧になれば楽になれる」と信じてきた私たちへ

子どもの頃から、私たちは「こうあるべき」をたくさん教わってきました。怒ってはいけない。わがままを言ってはいけない。弱音は吐かない。人に迷惑をかけない。

真面目な人ほど、その教えをきちんと守ろうとします。そして大人になると、今度は自分自身にこう言い聞かせるようになります。「もっとちゃんとしなきゃ」「こんな自分ではダメだ」と。

たとえば、職場でも家庭でも「いい人」でいようとする。頼まれごとは断らず、不満があっても笑顔で受け止め、家に帰ってから一人でぐったりする。誰かに責められているわけでもないのに、気がつくと肩に力が入っている。そんな日々を送っていないでしょうか。

欠点をなくせば、人に認められる。認められれば、安心できる。そう思って走り続けてきたのに、ゴールは一向に見えません。どれだけ直しても「まだ足りない」と感じてしまうからです。

頑張っているのに苦しいのは、あなたが足りないからではありません。「欠点を直せば楽になれる」という前提そのものが、あなたを疲れさせているのかもしれません。

「完全」と「全体」はどう違うのか

「完全であるより、全体でありたい」という言葉を聞いたことはありますか。「完全」と「全体」は似ているようで、実はまったく異なる考え方です。

完全とは、欠点や弱さのない自分を目指すこと。全体とは、好きな面も嫌いな面も、すべてが「私」だと認めていることです。

完全を目指すと、物差しは「欠点があるかないか」になります。すると、欠点が見つかるたびに自分を減点することになります。一方、全体を目指すなら、物差しは「切り離している部分はないか」に変わります。新しく見つかった面は減点の対象ではなく、「あ、こんな私もいたんだ」と迎え入れる対象になるのです。

優しい自分も、イライラする自分も、人に頼りたい自分も、ずるい考えが浮かぶ自分も、すべてあなたの一部です。いい面だけを「本当の私」とし、残りを「私ではないもの」にしていないか。ここが分かれ道になります。

思い返してみてください。友人が弱さを見せてくれたとき、かえって親しみを感じたことはないでしょうか。人の魅力は、完璧さよりも、すべてを持っている人間らしさに宿ることが多いのです。

「完璧な人になる」のではなく、「どの部分も自分のものとして持っている人になる」。成長のゴールを、そのように置き換えてみましょう。

直そうとするほど、切り離す自分が増えていく

ここが、この記事でいちばん大切なところです。

「怒りっぽい自分はダメだ」と否定すれば、怒りは消えるのでしょうか。実際には消えません。抑え込まれた気持ちは、心の中に残り続けます。しかも、抑え込み続けるには、とても多くのエネルギーが必要です。

水の中にビーチボールを沈めようとしたことはありますか。手で押さえている間、ボールは見えなくなります。けれども、沈め続けるには、腕にずっと力を入れていなければなりません。ふと気が緩んだ瞬間、ボールは勢いよく水面に飛び出してきます。

心の中の「出してはいけない気持ち」も、これとよく似ています。不満や怒りなど、認めたくない気持ちを押し込めても、消えたわけではありません。水面の下で、浮かび上がろうとしているのです。

それを抑えるために、私たちは知らないうちに大量のエネルギーを使っています。人前では穏やかに笑っていても、心の中ではずっと踏ん張っている状態です。言いたいことが言えない、いつも疲れている。その理由は、ここにあるのかもしれません。

欠点を直そうとするほど、沈めるボールが増えていく。そんなことも起こりうるのです。

全体であることは、何でも出すことではない

ここで、「それなら、思ったことを全部言わなければいけないの?」と心配になる方もいるでしょう。そうではありません。

「私の中に怒りがある」と認めることと、「怒りを相手にぶつける」ことは、まったく別の話です。大切なのは、まず自分の中にある気持ちを受け入れることです。

たとえば、話し合いでモヤっとしたとします。「私は反対だったのに」という心の声に気づいたら、まずはそれを認めてあげましょう。そのうえで、伝える必要があると思えば、どう伝えるかを後から考えればいいのです。伝えないと決めるのも、ひとつの選択です。

自分の気持ちに気づいていないと、反射的に飲み込んだり、感情的に爆発したりと、極端な行動に出がちです。気持ちに気づいたうえで、どうするかを選び直せる。それが、自分の軸を持つということです。

軸とは、誰にも負けない強い意見を持つことではありません。自分の気持ちに正直になり、そのうえでどうするかを自分で決められることです。これができるようになると、自分の気持ちに振り回されにくくなります。

人間関係にも変化が表れます。自分の中の多面性を知っている人は、相手の見えなかった一面にも寛容になりやすいのです。すると、相手も安心して素直な気持ちを見せてくれることがあります。

受け入れた場所から、成長は静かに始まる

「自分の気持ちを受け入れたら、成長が止まってしまうのでは」と思う方もいるかもしれません。実際は逆で、受け入れることこそが成長の土台になります。

自分の気持ちを否定していると、身を守ることで精いっぱいになり、新しいことに踏み出す余裕がありません。「今の私はこうなんだ」と認めたときに初めて、「では、どう変えていこうか」が見えてきます。受け入れることは、諦めることではなく、出発点に立つことなのです。

最初の一歩は、とても小さくて大丈夫です。もやっとしたとき、嬉しいとき、怒りを感じたとき。その気持ちを、評価せずに「そう感じているんだな」と認めてみてください。一日の終わりに、今日いちばん心が動いた場面を思い出すだけでも十分です。気づこうとするだけで、自分との関係は少しずつ変わっていきます。

それを続けるうちに、水面に浮かんできた気持ちを、押し戻さずに抱えられるようになります。もう踏ん張らなくていいのだと感じられると、心に余裕が生まれ、楽になっていく人は少なくありません。

自分らしくいながら成長するとは、完璧になることではありません。自分という全体を受け入れたまま、進んでいくことなのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

山田 結子

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この記事を書いた人について

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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。

インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。

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