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⬜︎目次⬜︎
「今の気持ちは?」と聞かれた瞬間、一瞬固まってしまう。そんな経験はありませんか。
仕事は問題なくこなせるし、周りからは「しっかりしている」「頼りになる」と見られている。家族との会話でも、「大丈夫」「なんでもない」と、つい当たり障りのない言葉で返してしまう。友達に「何が楽しかった?」ときかれても、ガイドブックに書いてあるようなことしか言えない。本当は色々なことを感じているはずなのに、言葉が見つからずに、適当な返事を返している。
そんな風に、外側では波風立てずにうまくやれているのに、いざ「本当はどう感じているの?」と自分に問いかけてみても、うまく言葉が出てこない。そんな感覚に心当たりはないでしょうか。

これは、決して珍しいことではありません。感情に気づきにくいのは、育ってきた環境の中で身についた、ひとつの「反応パターン」だからです。今回はその仕組みを、一緒にひも解いていきましょう。
気持ちに気づく力は、どう育つのか
自分の気持ちに気づく力は、生まれつき備わっているものというより、後天的に育まれていくものです。
小さな子どもは、悲しいときに泣き、嬉しいときに笑います。その気持ちに対して「悲しかったね」「嬉しかったね」と言葉をかけられることで、子どもは「これが悲しみという気持ちなんだ」「嬉しいときは体がこんな感じになるんだ」と学んでいきます。
子どもは、その言葉と自分の内側の感覚(涙が出る、胸がざわつく)を結びつけていきます。この結びつけが繰り返されることで、「言葉」と「感覚」がセットで記憶され、やがて自分ひとりでも「今の私は悲しいんだ」と気づけるようになっていくのです。
つまり感情とは、最初から自在に扱えるものとして備わっているのではなく、周囲との関わりの中で少しずつ育てられていくもの。そう捉えることができます。
感情を後回しにする癖は、こうして身につく
この「育てられる機会」が十分になかった場合、大人になっても自分の気持ちに気づきにくいままになりやすいものです。
実際、気づきにくさを感じる方は、次のような環境で過ごしていた可能性があります。感情に気づけない本当の理由は、感じ取る力の欠如ではなく、幼い頃に「自分の気持ちは重要ではない」と学習してしまったことにあります。
ひとつは、成果や行儀の良さは褒められても、「今なにを感じているか」を聞かれる機会がほとんどなかったこと。もうひとつは、「泣いてはいけない」「怒るのは悪いこと」というように、感情を表に出すこと自体を制限されてきたことです。
こうした環境で育つと、子どもは「出すと迷惑になる」とも同時に学んでいきます。そして、自分の気持ちよりも「相手にどう見られるか」「期待に応えられているか」を優先して行動する習慣が、少しずつ身についていくのです。
その結果、大人になると、こんな形で表れてきます。
・人に頼ったり、弱みを見せたりすることに強い抵抗を感じる
・「大したことない」と、自分の気持ちを過小評価してしまう
・頑張っている割に「生きている実感」が薄く、達成してもなぜか満たされない
・人間関係において「本音を言えない」「察してもらうのを待って、つい我慢してしまう」というパターンに陥りやすい

こうした特徴は、身近な人間関係の中にもあらわれます。家族や友人との会話がどこか表面的になっていたり、親などの介入が強い相手に「NO」と言えなかったりするとき、実は同じパターンがつながっていることが少なくありません。
これが続くと、頑張っているのに満たされない、人との距離が縮まらないという悪循環になりやすい。幼い頃に身につけた対処法を、今も無意識のうちに繰り返してしまっているのです。
気持ちを言葉にするワーク
では、このようなパターンを手放していくための実践編となります。
1)感じたことを、そのまま独り言にしてみる
誰かに見せる必要はありません。「今、ちょっと疲れているな」「さっきの一言、傷ついたかも」など、ふと浮かんだ気持ちを声に出したり、心の中でつぶやいたりしてみましょう。まずは「言葉にする」という行為そのものに、慣れていくことが大切です。
2)「~と感じた」で終わる一文を書いてみる
1日の終わりに、その日感じたことをひとつ、短い文章にしてみましょう。「家族に予定を決められてしまって、不快に感じた」「友達に相談できず、寂しいと思った」というように、出来事と気持ちをセットにして書き出してみてください。うまくまとまらなくても大丈夫です。思いついたまま、書いてみましょう。
3)言葉にしたことを、誰かに渡してみる
書いた言葉を、誰かに話してみましょう。話せそうな人が思い浮かばなければ、日記などに残しておくだけでも構いません。声に出す、文字にするという行為は、「自分の気持ちを出してもいい」という感覚を、少しずつ育てていきます。この積み重ねが、「感じていることを、自分の言葉で表現する」力を支え、育んでくれるのです。
はじめは、気持ちを言葉にするのも難しいかもしれません。ぎこちなくても、続けるうちに『あ、私は悲しく思っているんだ』と自然に気づけるようになっていきます。うまく表現できていなくても大丈夫です。まずは正しいかどうかにこだわらず、思いついた言葉を当てはめてみましょう。
自分を責めることをやめ、新しい習慣を育てる
こうしたパターンに気づいたとしても、それを悪いことだと考える必要はありません。ここからは、新しい習慣を育てていく段階です。
自分の気持ちに気づきにくいということは、見方を変えれば、限られた条件の中であなたが精一杯努力してきた結果とも言えます。

大切なのは、これまでのパターンを責めることではなく、新しい習慣を育てていくこと。自分の気持ちを振り返り、感情に気づき、言葉にして受け止めていく。
この小さな繰り返しこそが、自分の気持ちを大切にできる自分をつくっていきます。そしてそれは、少しずつ本当の自分を好きになっていくプロセスでもあるのです。
この瞬間からでも、始めることができます。まずは「私は今、なにを感じているんだろう」と、自分自身に問いかけてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
山田 結子
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この記事を書いた人について
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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。
インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。
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