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毎年、安房神社へお参りに行く道中で必ず通る「鋸山」。素通りするたびに気になっていたのですが、先日ついに登ってみることにしました。折角なので、山写真も撮影してみようと思っていました。
鋸山にある日本寺は、行基によって開かれた関東最古の勅願所だそうです。行基は奈良時代の僧侶で、当時の仏教は国家が管理するものであり、僧侶が寺の外で庶民に布教することは禁じられていました。しかし行基はその禁を破って市中に出て、庶民に仏教の教えを説きました。一時は弾圧の対象にもなったといいます。
それでもその影響力の大きさから、朝廷はやがて方針を転換します。大仏建立という国家事業にあたり、民衆から協力を得るために行基を頼るようになったのです。行基は中心人物として尽力し、僧侶の最高位である大僧正を授けられたそうです。
世の中の「当たり前」に正面から向かっていく姿に、感銘を受けました。誰かが決めたルールの内側で生きるのではなく、自分の信じるものに従って動いた人がいたのだと思うと、そんな歴史を持つ山だと知って、興味が湧いてきました。
全身を使う登山道と、多国籍な賑わい
ロープウェイ駅に車を停め、登山道から歩いて登りました。終わりが見えないほどの階段、岩と泥にまみれたコース、手すりを頼らないと登れない箇所もあり、ちょっとしたアスレチックのような全身運動になりました。

岩場では、どこに次の足を置くか、注意深く見ながら進みました。前の人が歩いて滑ったであろう場所を避け、苔の生えた岩は踏まないようにして、安全な足場がどこかを一歩ごとに意識して登りました。
山頂が近くなる頃には体が慣れてきて、足場の悪い場所への怖さも少しずつ薄れていきました。山中では外国人観光客の姿が目立ちました。標高が低いこともあってか、普段着にサンダルという軽装の方や、子ども連れの姿も多く見かけ、国籍も服装もさまざまな人たちで賑わっていたのが印象的でした。
百尺観音と「地獄のぞき」
見どころのひとつである百尺観音像は、対峙した瞬間に圧倒される感覚がありました。これほど大きな観音像なのに、繊細で優しい印象を受けたのです。後で、世界戦争戦死病没殉難者供養と交通犠牲者供養のために作られたと知り、それほど大きな悲しみが多くの人の中にあったのかもしれないと思いました。
人気スポットの「地獄のぞき」には行列ができていて、多くの人の目的は記念の自撮り写真のようでした。今回は山そのものの撮影もしたかったので、カメラを持って登りました。地獄のぞきでの自撮りはしませんでしたが、山頂からの景色はしっかり撮影しました。「山写真を撮りたい」という今回の目的が叶えられて、良かったです。もう少し余裕があれば、登っている途中の道も撮影したかったのですが、泥まみれの場所でカメラを出すのは気が引けて、断念しました。
また、どれくらい歩けるのかわからなかったので、寺の散策を少なめにしましたが、寺も十分見る価値があったなと思いました。
ロープウェイで味わった鳥の気分と、夫の変化
下山は登山道ではなく、ロープウェイを選びました。前日の大雨で登山道がぬかるんでいたことと、急な下りは登りよりも危険だと感じたためです。これが結果的に大正解でした。山を上から一望でき、まるで鳥になったような気分を味わえたのです。
標高329mの低山ながら、想像以上に楽しめる山でした。大仏や千五百羅漢、石の切り出し場なども見られるので、ちょっとした異世界のような雰囲気も味わえ、観光としても満足度の高い場所だと感じました。

久しぶりの登山でしたが、順調でした。夫は、いつまでも続く階段や登ったり降ったりが繰り返される箇所でストレスを感じていたようでしたが、山頂に近づくとどんどん元気になってきました。楽しそうでした。「登山は嫌だ」とずっと言っていてましたが、実は食わず嫌いだっただけなのかもしれません。山に登りきったときの達成感が、心地よかったようです。
山が教えてくれたこと
下山後は、お世話になっている珈琲焙煎所に立ち寄り、館山の宿へ向かいました。お風呂に入ると疲れがどっと出たのか、夕飯の時間まで熟睡してしまうほどでした。
その夜は大雨が降り、雨音を聞きながら宿で静かに過ごしました。翌日、安房神社へお参りに向かうと、大雨の後の空気がどこか澄んでいるように感じられました。
山に登ると、体が喜ぶ感覚がありました。頭で考えるより先に、体が「気持ちいい」と教えてくれるような感覚です。できれば近所の山を手軽に行くがいいなぁと思いつつ、今後も少しずつ、こうした時間を重ねていこうかなと思いました。
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この記事を書いた人について
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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。
インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。
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