【コラム】知らない自分に気づく ー 小さな選択が教えてくれる、本当の自分の好み

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⬜︎目次⬜︎

  1. 「知らないものはない」と思い込む心理
  2. 忙しさが選択の幅を狭めていく
  3. 小さな失敗への耐性を育てる
  4. 自分の好みを知ることが人生の質を高める

こんにちは、山田結子です。

先日、素麺を食べました。今回は、二種類の素麺を食べ比べしてみました。すると、コシの強さ、食感や味わいが結構違っていました。

私も子どもの頃はよく食べていましたが、夫に素麺が食べたいと言われて、どれを買ったらいいか悩みました。素麺によって味が案外違うものなのだろうか?そう思って、お店で見てみると、種類がたくさんあって、迷ってしまいました。そこで、まずは二種類を買って食べ比べしてみたのです。

つるっと感が好きか、コシの強いのが好きか…という選択になりました。個人的にはコシが強い方が好みかもと思いつつ、どっちでなければいけないというほど強い好みでもなかったです。

長年よく食べていたものであっても、意外とよく知らないということはあるものです。自分たちの好みに合ったものを見つけるまで、色々なものを比べてみてもいいなと思いました。ちょっとした日々の選択を見直すだけでも、充実感が変わってくることはありますね。

忙しい毎日の中で、私たちは知らず知らずのうちに「いつもの選択」ばかりを重ねています。それ自体は悪いことではありませんが、そこには「自分の本当の好みに気づく機会」を手放してしまっているという側面もあるのです。

「知らないものはない」と思い込む心理

「私には知らないことがある」ということを忘れがちです。無意識に、覚えているもの、わかっているものを選択して、「知らないものは存在しない」という立ち位置になってしまうのです。知らないもの=ないものとして扱ってしまって、選択しようという気持ちすら起こらなくなりがちです。

脳は、目の前の情報すべてを平等に処理しているわけではなく、自分がすでに知っている枠組みに当てはまる情報だけを、無意識に拾い上げる傾向があると言われています。

たとえば、家庭内で新メニューを何年も検討しないまま、同じローテーションで作り続けているような状況があります。それは「時間がないから」というより、「他にどんな選択肢があるか」を検討すること自体が、意識に上ってこないために起きていることもあるのです。その状況に気づけばいいですが、気づくこと自体が難しい場合もあります。

これは、買い物だけの話ではありません。人間関係でも同じようなことが起こります。「新しい選択肢の存在に気づかない」まま、似たようなパターンを繰り返してしまうのです。本当はもっと違う関わり方、伝え方、別の選択があるかもしれないのに、「いつものやり方」以外が、そもそも頭に浮かんでこないのです。

忙しさが選択の幅を狭めていく

忙しいとちょっとした買い物の時でさえ、時間に追われて、「今日はこれを買おう」と決めたら、他のものは全く見ないということもあります。目的のものしか意識になくなってしまいます。

それはよくあることだし、究極的には余裕を作るためには仕方ありません。もっと重要なことに力を割かないといけないとき、日々の小さな選択に対してこだわりを持てないこともあります。

忙しい生活の中では、「新しいことを考える」という作業には、気力が必要な場合があります。仕事、家事、人間関係などで、余裕がなくなってくると、このような力は少しずつすり減っていきます。すると、新しいことを検討するよりも、慣れた選択をそのまま繰り返す方を選ぶようになります。いつもと同じスーパーで、いつもと同じ棚から、いつもと同じ商品を取る方が、圧倒的に消耗が少ないからです。

これは、限られた気力を守るという意味では、非常に優れた働きだと思います。しかし、それが同時に、日常のパターンを固定化させていく力にもなるのです。

追われるように日常生活を過ごしていると、決められた習慣だけで埋め尽くされてしまうように思います。効率を良くすることは大切です。しかし、ずっと同じパターンにすると、日常の充実感を高めることはできません。

力が減っているとき、実は一番後回しにされがちなのが、「自分が今、何を感じているか」を確認するという作業です。目の前のタスクをこなすだけで精一杯になると、自分の気持ちに耳を傾ける余裕そのものが失われていきます。気づけば、「自分が本当はどうしたいのか」を考えることすら、後回しになっているのです。

小さな失敗への耐性を育てる

もちろん、今よりも好みに合うものを探す労力はあるし、失敗することだってあります。でも、このようなちょっとした失敗に対しても、許容ができないと、大きな挑戦もしにくいし、失敗に対する耐性がつかなくなってしまいます。

失敗に対して心のダメージが大きい人は、「失敗する自分には価値がない」という感覚があるのかもしれません。素麺の味が好みと違っていた…くらいの話でも、「自分の選択は間違っていた」と自分を責めてしまうなら、物事の見方を変える必要があります。

まず、「新しいことをするときに、失敗があることは普通のこと」と捉えることです。努力によって失敗を減らすことはできますが、ゼロにするのは難しいという考え方です。

そして、失敗しないことを目的にすると、「新しいこと」の選択の幅がかなり小さくなります。それは、できるだけリスクを取らない立ち位置になってしまい、究極的には「より充実感のある生活をするため」の選択ができなくなる可能性があります。失敗を避けることが目的化すると、本来の目的だった「充実感のある生活」から逆に遠ざかってしまうのです。

人間関係では、さらに失敗することが怖くなるかもしれません。相手によっては、関係性が悪くなったり、終わってしまうことも実際にありうるからです。

しかし、「新しい関わり方」を安全な範囲で試していくのが、やはり有効な手段なのです。例えば、いつも「ただいま」「お帰りなさい」というやり取りの後、沈黙がある。それを「自分が今日感じたことを一つ言ってみる」などいつもとは違うパターンの時を入れていきます。もちろん、言えそうな時だけでいい。それは、相手の余裕があるかどうかという話も関係しているからです。

異なるパターンの日を作ることで、少しずつ関係が活性化し、相手の状態が変化する場合もあります。安全な範囲で、無理をせず、同じようなパターンを減らすということが大切です。色々なパターンを安全な範囲で試していくと、自分と相手に合ったいい選択がみつかってきます。

自分の好みを知ることが人生の質を高める

自分の好みがわかるほど、選択にかかる迷いや消耗が減ってきます。

さらに、好きなことをしている時の「没頭」の感覚、苦手なことをしている時の「緊張」の感覚など、自分の中に起きる反応のパターンを知っていれば、新しい物事に対しても「これは自分に合うかどうか」を早い段階で見極めやすくなります。

人間関係においても、安心しやすい相手か、気を張ってしまう相手か、という感覚の違いに気づけるようになると、無理をする関係と、自然体でいられる関係を区別しやすくなります。

もちろん、好きなことだけで人生を埋め尽くすことはできないと思います。嫌いなことや苦手なことは、作業時間が余分にかかったり、疲労回復に時間をかける必要があったり、心理的にご褒美が必要になることもあります。

みんなが好きだというものを、自分も好きかどうかわからないし、自分なりの好きがあってもいいのです。それを日々の小さな選択から見つけられれば、自分の好ましい感覚を取り戻し、充実感を高めるきっかけになります。

こうした小さな選択の積み重ねは、単に「好みがわかる」というだけの話ではありません。「自分の感覚を確かめて、それを選んでいい」という経験を、少しずつ自分自身に許可していくプロセスでもあります。これまで、他人の期待や、いつもの習慣を優先して、自分の感覚を後回しにしてきた人ほど、この積み重ねには意味があります。

素麺の食べ比べのような、ごく小さなことでいいのです。「自分はこっちが好きかもしれない」と感じてみる。その一つひとつが、「本当の自分の感覚には価値がある」という信頼を、少しずつ育てていきます。そして、自分の好みを尊重する経験の積み重ねが、「本当の自分には価値がある」という感覚を育てていくのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人について

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「自分には価値がない」という思い込みを手放し、本来の自分を取り戻すサポートをしています。ヒーラー&リーダーの山田結子です。

インナーチャイルドの癒しに携わって約20年。ヒーリングとリーディングを組み合わせたセッションで、多くの方の「自分らしい生き方」への一歩をご一緒してきました。

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